
熟成のカギは「忘れる」
今日は「思考を熟成させる」ということについて書いていく。
熟成とは「時間が経って使える状態になること」らしい。
つまり、思考を熟成させるというのは「考えごとを一晩寝かして使える状態に整理する」ってこと。
でも、一晩じゃ足りない。熟成とまではいかない。
モノによっては、数年間寝かしておいて、ようやく使える状態になる思考もあるだろう。
とは言え、数年間も寝かしておいたら、普通は忘れる。
でも、そこに熟成のカギがある。
「忘れる」ということだ。
「忘れる」をしないと、熟成しない。
一晩で取り出してしまったら、熟成しないから。
数年間わすれておかないと、熟成まで至らない。
忘れていった先に残る薄い記憶の積み重ねが「覚える」
僕らは「覚える」を大事にして育ってきたと思う。
テスト勉強も、バイト先のマニュアルも、ビジネスマナーも、
覚えなきゃいけないことだらけだ。
でも、覚えようとすればするほど、忘れる。
そのくせ、忘れたいことは、ずっと覚えてる。
脳は、天邪鬼だ。ほんと、むかつくよな。
だからこそ、それを利用する。
「覚えるぞ!」と意気込むよりも、「どんどん忘れていこう」と構える。
忘れて、忘れて、忘れていった先に残る薄い記憶の積み重ねが「覚える」だから。
そう、圧縮して積み重ねて、厚みを増していく感じ。カステラと同じだ。
カステラみたいな思考を潰してミルフィーユにする
ちなみに「カロリーゼロ理論」をご存知ですか?
カステラをギュッと潰したら0.1mmくらいの薄さになるから、実質カロリーはゼロ。という暴論。
思考もカステラなんだよな。はじめは。
いくら、本を読んでも、体験を通しても、初めの思考はカステラと同じでフワッフワなんだと思う。
フワフワの思考をいくら集めたところで、それはフワフワの思考の寄せ集めでしかない。
大事なのは、ギュッと潰して圧縮すること。
思考を圧縮するためには「忘れる」ことでしか出来ない。
フワフワの思考を集めては、忘れて、また集める。そして忘れる。
その繰り返し作業を経て、思考が徐々に積み重なっていく。
そうして、出来上がったミルフィーユの思考こそ、「熟成された思考」だと言えるだろう。